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2021 年度 実施状況報告書

『三朝北盟会編』所収史料から見た靖康の変前後の金宋関係の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01028
研究機関関西大学

研究代表者

毛利 英介  関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (10633662)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード三朝北盟会編 / 紹興甲寅通和録 / 金 / 南宋 / 劉豫 / 靖康稗史
研究実績の概要

引き続きコロナ禍のため、国内外における調査や対面での学会参加などの出張は全く行うことが出来なかった。その結果、本欄に記すべき当該年度の実績は以下の二点の研究成果となる。
・(論文)「『紹興甲寅通和録』から見た劉斉をめぐる国際関係 」
『三朝北盟会編』所収の「紹興甲寅通和録」は本課題の主要な検討課題の一つであるが、本論文は同史料を用いて1130年代前半の「斉」が存在した時期の金宋関係を各国の国号や君主号に焦点をあてその使用法に注目して浮き彫りにしたものである。同史料が南宋側の史料であるため取り分け南宋での使用状況の詳細を検討する結果となったが、軍事的に劣位にある南宋の国内外での自他国の国号・君主号の使い分けが明瞭となった。
・(口頭発表)「『靖康稗史』の「出現」について―『謝家福書信集』所収史料の紹介 」
『三朝北盟会編』所収の「宣和乙巳奉使行程録」は本課題の主要検討課題の一つであるが、同史料はほかに『靖康稗史』及び『大金国志』にも収録されている。そして近年では『靖康稗史』のテキストが底本として検討されることが多いが、研究代表者はこの『靖康稗史』という史料に不審な点を見出しており、目下その点を追求する研究を展開している。その手始めとなるのが本報告である。次年度も、この関心に関わる研究を実行・公表していくことを想定している。
以上のほかに既に脱稿済みの業績も存在するが、それはまた次年度の業績として扱うこととする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

文献史料の分析による研究とその成果公表は着々と進めている。
ただし想定していた中国大陸での海外調査については、引き続き新型コロナウイルスの関連で実行が不可能であったため、「やや遅れている」と自己評価するものである。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルスの影響で、当初想定した海外調査の進捗状況が遅れている。そのため、研究期間を一年間延長した。延長した次年度に海外調査が可能であれば、過去二年間に不可能であった海外での現地調査・文献調査を行うこととする。主として想定する地域は中国大陸だが、それは本項目執筆時点では困難が想定される。よって当初の計画書で「その他にも機会を見つけて課題に関連する海外調査を積極的に行う」旨を記したことに基づき、例えば台湾での関連史料の文献調査や研究課題の重要な時代背景の一つであるモンゴル高原情勢の理解のためモンゴル国での調査に振り替えること等も念頭におく。もし引き続き関連諸地域における海外調査が不可能であれば、国内調査及びそれを踏まえた文献研究に注力することとする。

次年度使用額が生じた理由

主として、新型コロナウイルス感染症の関連で当初計画していた中国大陸への海外出張が全く行えなかったことにより生じた状況である。元来当該年度が最終年度であったためこの差額が次年度の経費となるが、如上の経緯からこれを海外出張への充当を中心にすることを念頭においている。ただし現状では海外出張が可能であるか予断を許さないため、国内出張や関連書籍の購入などに幅広く充当するなど機動的な執行も同時に想定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 『紹興甲寅通和録』から見た劉斉をめぐる国際関係2021

    • 著者名/発表者名
      毛利 英介
    • 雑誌名

      関西大学東西学術研究所紀要

      巻: 54 ページ: 253~279

    • DOI

      10.32286/00023736

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 『靖康稗史』の「出現」について―『謝家福書信集』所収史料の紹介2022

    • 著者名/発表者名
      毛利英介
    • 学会等名
      第六回金毓黻と東北アジア史研究会

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公開日: 2022-12-28  

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