研究課題
1. 本年度の研究実績新型コロナウイルス感染症に起因する制限が緩んだため、国外調査を実施した。研究代表者今松はトルコ(イスタンブル市)に出張し、スレイマニエ図書館、首相府オスマン文書館、イスラーム研究センター(ISAM)図書館で文献を収集した。分担者磯貝は、ウズベキスタン(タシュケント市)とトルコに出張し、ウズベキスタン科学アカデミー・ビールーニー名称東洋学研究所図書館で文献の所在を調査し、またトルコでは今松と同行、図書館・公文書館で文献を収集した。イスタンブル市内書店でも研究文献を入手した。研究課題(A)(B)のいずれについてもだが、代表者今松は、アナトリアで書かれた各種メナークブナーメ(武勲・徳行伝、聖者伝)を閲覧して情報を入手し、またオスマン帝国の参詣地を伴う宗教施設に関する文書を複写で収集した。分担者磯貝は、19世紀末以降のロシア帝国ヴォルガ・ウラル地域でムスリムが行った、イスラーム聖者の墓廟を含む参詣地の整備に関係する文献等を収集した。他方で、新型コロナウイルス感染症に起因する制限を考慮し、都市郊外のイスラーム聖者の墓廟を中心とする宗教施設は、ほぼ実見できなかった。エユップ・スルタン・ジャーミィは見学できた。文献の読解・分析を行い、墓碑銘の翻刻や解題を含む論文として公開する作業を進めている。2. 研究期間全体を通した研究成果研究成果3種が公開済みか、公開見込みである。第1は、ロシア(ウラル南麓)のフセイン・ベク廟とアク・ズィラト墓地の墓石・墓碑銘の画像データベース "An Islamic Sacred Site and Epitaphs in the Southern Urals" である。第2は墓碑銘の翻刻・翻訳、第3は歴史的な聖地参詣・聖者崇敬の様相を明らかにする研究だが、いずれも公開を見込んだ作業を続けている。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
イスラーム文化事典(八木久美子編、丸善出版)
巻: - ページ: 594-595
中央ユーラシアの女性・結婚・家庭:歴史から現在をみる(磯貝真澄・帯谷知可編、アジア環太平洋研究叢書6、国際書院)
巻: - ページ: 101-136
近代中央ユーラシアにおける歴史叙述と過去の参照(野田仁編、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
巻: SCI 119, MEIS 29 ページ: 225-243
https://archives.cneas.tohoku.ac.jp/index.php/en/collection/musepitaph