研究課題
基盤研究(C)
新型コロナのため予定していたイラン国立博物館における調査が行なえないなどの障害はあったが、アルシャク朝パルティア時代の碑文付き資料について、既存の遺物写真を3D化し解読に資する作業を国際シンポジウムで発表し現地研究者にも還元してきた。アルタバーン4世浮彫・碑文については、それが既存の碑文(左右両端に現在断片が残る)を潰して彫り直された可能性が高いことを指摘し、ビーソトゥーンのワラガシュ浮彫の碑文についても新たな読みの可能性を示した。
古代イラン史
既存の写真も使用しながらそれを3D化し、碑文の解読に役立てようという試みを、約2千前のイラン、アルシャク朝パルティア時代の資料を対象に行なった。王朝最末期の碑文付き浮彫については、それが既存の碑文(断片が両端部に残る)を潰して彫り直された可能性が高いことを示した。また、他の王名入り碑文についてもこのような方法で新たな読みを探れることを示した。さらに、新出の碑文付き浮彫でも、碑文が新たに彫り直された可能性が高いことを述べている。