研究課題/領域番号 |
19K01071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 猛 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30512769)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 百年戦争 / 諸侯 / トゥール休戦協定 / アンジュー公 / シャルル7世 / ルネ |
研究成果の概要 |
一般的には、百年戦争は平和条約が締結されないまま、1453年に終結したとされる。この通説について、フランス諸侯の地方的利害という観点から再検討し、1444年のトゥール休戦協定について次の二つの点を明らかにした。①諸侯はイングランド使節の出迎え、会合の設定、和平交渉に至るまで、休戦協定の締結過程に直接関わった。②休戦協定の条文においては、(A)王と並ぶ休戦の当事者として諸侯のタイトルが明記され、(B)英占領地に位置する諸侯領の保護について補償された。戦争終盤においては、諸侯の多様な利害が和平交渉や実際に誓約された休戦協定に入り込み、そのことが最終的な和平締結を難しくしたとの展望を得た。
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自由記述の分野 |
中世フランス史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1453年における百年戦争の終結に関しては、学術的には、なぜ平和条約が結ばれないまま、英仏間の戦闘が終息したのかに関して未解明な点が多い。これに対して、本研究では主戦場となったフランスの諸侯が有した多様な地方的利害が和平交渉に入り込み、そのことが平和条約の締結を難しくしたとの展望を示した。一般的には、特に高校世界史においては、百年戦争に終止符が打たれた理由として、ジャンヌ=ダルクの登場やばら戦争など偶発的な出来事が重視されることが多い。これに対して、本研究は百年戦争がいかに終結し、近代を迎えたかという西洋近代の始まりについて、一般的な歴史像の修正に寄与するものでもある。
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