研究課題/領域番号 |
19K01076
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
辻本 諭 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (50706934)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 軍事啓蒙 |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトは、本来2021年度に終了するはずであったが、新型コロナウイルス感染症の影響により最終年度の研究計画の一部が実施不可能となったため、2022年度までプロジェクトの延長が認められた。今年度は、最終年度で実施するはずであった、①必要な史料の調査・収集、②1~3年度の研究成果の総合の2点を実施した。 ①について、活字史料に関しては、ECCOおよびNCCOを用いて収集を行った。一方、イギリスでの文書館調査は、昨年度に引き続き新型コロナ感染症の影響のため実施できなかった。こちらについては、すでに研究計画の再延長が認められているため、次年度において行う予定である。 ②については、長い18世紀のイギリス陸軍に所属した陸軍将校、医師、牧師の著作をもとに、彼らの軍隊経験と人的ネットワークを明らかにするとともに、著作内に含まれる、陸軍の現状に対する批判的な言説・それを改善しようとする主張について分析を行った。とくに、兵士(とその家族)が置かれていた状況に対する批判が多くみられ、実際にそうした声を背景に19世紀に入ると兵士の待遇改善(給与の引き上げや体刑の抑制など)が進められていったと考えられる。現在、上記のプロセスを具体的に検証する作業を行っている。 以上の成果の一部は、辻本諭「複合国家と軍隊―イギリス陸軍にみる諸地域間のつながりと相互作用」(岩井淳、道重一郎編著『複合国家イギリスの地域と紐帯』(刀水書房、2022年)所収、278-303頁)において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
最終年度から繰り越していたイギリスでの史料調査・分析が、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
すでに研究期間を1年間再延長する手続きをとっており、イギリスでの史料調査・分析を含む未実施の研究については次年度に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、今年度に予定していたイギリスの史料調査のための旅費と、それを前提として行う研究のための物品費を執行することができず、研究を1年間再延長して未実施の研究を行うこととしたため。前者(旅費)については、イギリスへの渡航が可能となり次第執行する。後者(物品費)については、国内で進めることができる研究に関するものから順次執行する。
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