研究課題/領域番号 |
19K01097
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
幸泉 満夫 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (50598878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 縄文農耕 / 対馬暖流ベルト地帯 / 縄文農耕関連石器群 / 縄文農耕関連骨角器群 / 無文系土器群 |
研究実績の概要 |
1.資料調査 主に、以下のような現地調査を実施した。 ① 2019年7月、中部地方(長野県、中野市、岡谷市、長野市)にて、縄文前~中期を中心とした関連資料群の熟覧、撮影、実測等の二次資料化作業を実施。 ② 2019年8月、九州地方(佐賀県、唐津市、福岡市、北九州市)にて、縄文早~中期を中心とした関連資料群の熟覧、撮影、実測等の二次資料化作業を実施。 ③ 2019年9月、山陰地方(鳥取県日南町、伯耆町、米子市、島根県雲南市、飯南町)にて、縄文前~後期を中心とした関連資料群の熟覧、撮影、実測等の二次資料化作業を実施。 ④ 2019年12月、北陸地方(石川県、志賀町、福井県)にて、縄文早~後期を中心とした関連資料群の熟覧、撮影、実測等の二次資料化作業を実施。 ⑤ 2020年2月、山陰地方(島根県)にて、縄文早~後期を中心とした関連資料群の熟覧、撮影、実測等の二次資料化作業を実施。
2.関係機関打合せ 2021年度後半頃の中間成果発表会実施を念頭に、上記資料調査と併せて、幾つかの関係機関との交渉を開始した。結果、現状で受容れ開催に前向きな候補機関を複数獲得することができた(次年度への継続事項)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は,農耕関連具出現期の様相を把握するため、当初計画通り、中部地方~北部九州地方に至るまで、日本海沿いに広く資料調査を展開した。結果、縄文早~前期に属する一部の石器および骨角器資料のなかに、可能性を具備した個体が潜在する事実を改めて認識できている。次年度へと継承すべき主要課題の一つである。同時に、対馬暖流ベルト地帯の土器群からみた変遷内容を事前に把握しておく必要がある。広く地方間の年代関係や小地域区分の目安を予め策定しておくためにも不可欠である。そこで、2019年度は中部~山陰地方にかけて、主体となる石器類の調査と併行して、一部補足的に関連土器群の資料調査も実施した。うち土器に関する基盤的成果については、既に古文化談叢第83~84集へ2篇の論文として公表済みである。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の動向を継承しつつ、2020年以降も、初源期を中心とした農耕関連具の態様を、石器を中心に追究していく計画である。また上述の通り2019年度の調査から、関連石器類の出現以前に、一部骨角器類が重要な役割を担っていた可能性が新たに浮上している。このため今後は、併せて骨角器類の調査も重点的に実施していく予定である。 もっとも、2020年3月以降のコロナ禍問題の影響は、既に、本計画にも深刻な影響を及ぼしつつある。2020年4月以降は、資料調査の目処が全く立たなくなったばかりか、日常業務たる、大学における遠隔授業対応等に日々、忙殺されているのが実状である。さらに2020年度後半も、蓄積された諸処の教育関連業務等を優先させる必要があることから、当該課題の再開がいつになるかは、2020年6月時点では、不明とせざるを得ない。 以上から、研究期間2年目となる2020年度の計画に関しては、一部延期等、今後、大幅な見直しを余儀なくされるものと想定される。
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