研究課題/領域番号 |
19K01097
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
幸泉 満夫 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (50598878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 縄文農耕 / 対馬暖流ベルト地帯 / 縄文農耕関連石器群 / 縄文農耕関連骨角器群 / 無文系土器群 |
研究実績の概要 |
2020年度は当初、出現期を中心とした農耕関連具の態様を、引き続き関連石器群を中心に調査追跡していく計画であった。また2019年度の調査実績から、併せて、有機物資料等の調査も重点的に実施する予定で計画を進めていた。 ところが2020年3月以降本格化したコロナ禍の影響から、以後、資料調査の目処が全く立たなくなり、全て中止、あるいは次年度以降への延期を余儀なくされた。以上の非常事態を踏まえ、急遽、警戒期間中は当初計画の段階から企画してあった2021年度後半の中間成果発表に向けた、大学研究室内での整理研究作業に基軸を切り替えてきた次第である。 つづく2021年度計画に関しても、少なくとも夏頃までは2020年度と同等、あるいはそれ以上の状況が続くと予想されることから、引き続き調査計画の一部中止と延期措置を重ねつつ、大幅な見直しを余儀なくされるものと予想される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.学外資料調査 コロナ禍の影響により、当初予定していた韓国、および日本国内の日本海沿岸~中部地方を中心とした各地の調査計画は、全てキャンセルを余儀なくされた。 2.学内整理研究 2021年度後半に計画していた中間成果学術発表(特別講演会)の実施を当面の最大目標へと切り替えつつ、次の7つの点で、研究課題を前進させた。 ① 2019年度に各地で資料調査を実施し、累積した実測図類577枚のうち、予め出現期(研究代表者が2021年度に設定、公表する予定のPrimitive Stage13以前)の例を選別のうえ、基礎的な清淨作業を進めた(2020年度末時点で約40%完了)。 ② 同じく2019年度に各地で記録撮影してきたデジタル画像7,623葉について、Adobe社製フォトショップ上等で基礎的な画像処理を進めた(2020年度末時点で約55%完了)。 ③ 2020年度に実地調査が叶わなかった対象遺跡分を中心として、中間成果学術冊子の作成に向けた仮レイアウトを開始した(2020年度末時点で約20%完了)。 ④ 韓(朝鮮)半島南部における関連情報を収集、比較整理するとともに、学史整理を行い、一部、中間成果に向けた仮レイアウトを開始した(2020年度末時点で約15%完了)。 ⑤ 日本列島内における縄文農耕に関する文献情報の網羅的収集と、整理研究を進めた(2020年度末時点で約70%完了)。 ⑥ 2021年度の刊行に向けた中間成果学術冊子の仮レイアウトと原稿執筆を開始した(2020年度末時点で約5%完了)。 ⑦ 対馬暖流ベルト地帯の実態把握を目的とした2篇の査読付論文を発表した。 3.関係機関打合せ ZOOM等を活用したリモート協議を重ねた結果、2021年度秋に福井県にて中間成果発表(特別講演会)の実施を確約できた(次年度への継続事項)。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きコロナ禍の動向を注視しつつ、2021年度も学外資料調査を鋭意再開させる計画で、準備を続けている。ただし2021年5月時点では、新たにコロナ第四波(変異型ウィルスN501Y)の拡大が懸念されている最中であり、未だ、調査予約等の交渉を一切できない状況が続いている。このことから、2021年度についても当初計画の大幅な見直しを余儀なくされることは必定である。 一方、今年度後半の中間成果発表(特別講演会)実施に向けた大学研究室内の研究については、現在も日々精力的に進めているところである。併せて、コロナ禍収束以降を見据えた、新たな研究基盤の形成を目標としていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍(COVID-19)の影響から、当初予定していた資料調査計画が全てキャンセルを余儀なくされたためである。2021年度以降のコロナ収束後を見据え、関連予算を繰越すこととする。
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