研究課題/領域番号 |
19K01098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 東日本国際大学 |
研究代表者 |
矢澤 健 東日本国際大学, エジプト考古学研究所, 客員教授 (10454191)
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研究分担者 |
吉村 作治 東日本国際大学, 経済経営学部, 総長 (80201052)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 古代エジプト / 中王国時代 / 考古学 / 墓地 / 王朝交替 / ダハシュール北遺跡 / 人口動態 / 社会階層 |
研究成果の概要 |
古代エジプトの中王国時代末期(紀元前17世紀頃)に、北部でのアジア人勢力の拡大に伴い、在地の支配層が当時の中心だったメンフィスからテーベに移動したという説があるが、反論もあり、実態は不明だった。本研究はメンフィス地域にあるダハシュール北遺跡の同時代の墓の資料を用いて、数理的手法や碑文資料を併用しながら考古学的分析を進めた。結果、中王国時代末期の考古資料はメンフィス地域とテーベで類似していることが示され、メンフィスからテーベへの人々の移動を支持する成果が得られた。
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自由記述の分野 |
エジプト考古学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中王国時代末期はエジプトの王朝区分では第13王朝にあたり、この時代は文字資料が極めて不足していることから、歴史の実態が不鮮明な「暗黒時代」だった。本研究は考古学的資料の分析からこの時代に光を当て、当時のメンフィス地域とテーベという2大拠点と、北部のデルタ地域との関係性やその変化の流れに一定の評価を与えたことに学術的な意義がある。王朝交替プロセスの解明は、アジア人の勢力拡大など、所与の条件・環境の中で文化がどのように継承されていたのかについての洞察に繋がる。人類史上でも長大な文明を築いた古代エジプト人の文化継承システムへの理解は、持続可能な社会の構築という観点からも重要な意義があると考える。
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