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2023 年度 実績報告書

ルソン島北部、先史時代における土器編年の精密化と植物利用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01101
研究機関鶴見大学

研究代表者

田中 和彦  鶴見大学, 文学部, 教授 (50407384)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードルソン島北部 / 後期新石器時代 / 金属器時代 / 土器編年 / 赤色スリップ土器 / 黒色土器 / イネ
研究実績の概要

2023年度は、2023年8月3日~8月23日までフィリピンに行き、現地のカガヤン州ラロ町カトゥガン村、マルセリーナ・ドンブリケ遺跡においてフィリピン国立博物館、考古学部のA・ガロン氏らと前年度に引き続き発掘調査を実施した。その結果、前年度に完形の甕形土器2点と蓋1点が検出された第II層中の土壙の下部から、ヒトの頭蓋骨と大腿骨及び脛骨が出土し、完形の土器3点は、この埋葬(3号埋葬)に伴うものであることが明らかになった。また、貝層上部(第Ⅱ層)からは、フローテーションによって、炭化米が検出され、この地域の金属器時代において、稲作が普及していたことが明らかになった。
研究期間全体としては、3基のヒトの埋葬を検出することができた。また、第II層から第IV層までを占める貝層を層位的に発掘調査することによって、層ごとに土器を多数検出することができた。これらについては、9月11日~20日に写真撮影を、2024年3月18日~20日に実測調査をいずれもマニラの国立博物館で実施した。まださらなる追加実測が必要であるが、これらを層ごとに整理することによって編年研究をさらに精密化させることが可能となる見通しが立った。また、これまで、一つの層として認識していた最下層の第V層において、いくつかの深さに土器の集中する箇所があることが判明した。そのため、第V層中の土器をこれらの深さの違う集中箇所ごとに整理することによってさらに土器編年を精密化させることが可能となる見通しも立った。
一方、植物遺存体については、貝層上部の第Ⅱ層及び同時期と見なされる土壙から炭化米をフローテーションによって検出することができた。
また、N3E10及びN4E10の発掘坑における第V層上面において、第IV層が落ち込んだ柱穴が8基検出された。これは、遺跡のこの箇所が第IV層堆積前に高床住居があったことをうかがわせるものであった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The Austronesian Expanding Colonization in Batanes and Lal-lo, Cagayan Valley, Philippines2024

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiko Tanaka, Ame Garong, Kaishi Yamagiwa and Eusebio Z. Dizon
    • 学会等名
      The workshop of Recent European research in Southeast Asian later prehistoric archaeology.
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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