本研究では、フィリピン共和国、ルソン島北部、ラロ町、カトゥガン村に所在するM.ドンブリケ地点の貝塚をフィリピン国立博物館と共同で発掘調査した。調査面積は、9㎡に及び、1mほどの貝層(第I~第Ⅳ層)とその下に1mほどの粘土層(第V層)を明らかにした。 遺構としては、第Ⅱ層中より1基、第Ⅲ層中より2基の人骨を伴う埋葬址を検出した。遺物としては、貝層(第Ⅱ~第Ⅳ層)中より黒色土器片と褐色土器片を、粘土層(第V層)中より赤色スリップ土器片及び磨製石斧片を検出した。また、自然遺物として、第Ⅲ層中より鹿角の加工品の他、第Ⅱ層中に構築された土壙中の土をフローテーション処理することにより炭化米を検出した。
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