景徳鎮窯、龍泉窯等の中国南方産陶磁器は、中国国内外に広く流通している。一方で中国国内では北宋代以降、南北各地で陶磁生産が活発化し、それらの陶磁器も流通していた。このため中国南方産陶磁器は中国国内と国外とで、流通・受容のあり方が異なることが予想される。先行研究では、中国国内と諸外国等におけるそれらの流通・受容の様相を比較した研究は多くはない。そこで、本研究では、12世紀から15世紀、中国南方産陶磁器の中国東北部や華北地域の墓地・集落・沈没船・港湾遺跡出土資料を集成し、その動向を整理し、特徴を明らかにした。またその後の伝世のあり方の比較を行うため、江戸時代の中国陶磁器の受容の特色を明らかにした。
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