研究課題/領域番号 |
19K01111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小高 敬寛 金沢大学, GS教育系, 准教授 (70350379)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | メソポタミア / 肥沃な三日月地帯 / 新石器時代 / 社会再編 / 土器 / 遺跡調査 |
研究成果の概要 |
イラク北部の4遺跡から収集された後期新石器時代(前7~6千年紀)の土器資料を調査し、比較対照することで、伝統的な物質文化の時空間的枠組みを再検討した。前6000年前後には、北西方の北メソポタミアと、南東方の中部メソポタミアからイラク・クルディスタン地域南東部との間に、物質文化の地域差を見出した。また、前6千年紀半ば~後葉には、北メソポタミアの物質文化が周囲の地域に拡大したと考えられていたが、イラク・クルディスタン地域南東部では、他にもイラン高原からの影響などが確認された。これらの結果は、メソポタミアにおける都市化への移行の理解に関して、地域的多様性の観点から再考を促す。
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自由記述の分野 |
西アジア考古学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メソポタミアにおける都市化への移行過程は、現地の政情などの影響により、これまで20世紀半ばの調査研究成果にもとづく時空間的枠組みで語られてきた。本研究は、イラク・クルディスタン地域で得られた新資料とイラク北部の旧蔵資料を調査し、型式学的に比較対照したことで、この過程における時空間的枠組みを再検討するうえでの今日的な視座を提示した。近年の知見をもって過去の資料を見直し、その成果を近年得られた資料の研究に活かすという好循環を生み出すとともに、メソポタミアで起きた人類初の都市化を地理的により広範な歴史の動向と結び付けて説明する、確かな糸口になるだろう。
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