研究課題/領域番号 |
19K01128
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
隅田 祥光 長崎大学, 教育学部, 准教授 (80413920)
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研究分担者 |
足立 達朗 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00582652)
及川 穣 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (10409435) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 黒曜石 / 石器 / 原産地判別 / WDXRF / LA-ICP-MS |
研究実績の概要 |
九州大学アジア埋蔵文化財研究センターにて,信州地域の黒曜石原産地の試料と広原遺跡から出土の黒曜石製石器のLA-ICP-MS分析を行った。それらの分析結果を論文としてまとめ国際学術誌(Journal of Archaeological Science)へ投稿した。 九州の黒曜石原産地の調査(針尾島,佐世保周辺)を長崎県埋蔵文化財センターなどの行政の協力を得ながら実施した。試料については一部,明治大学黒耀石研究センターにてすでに定量分析を実施した。 2019年6月にハンガリーシャロースパタクにて,黒曜石の国際シンポジウム(International Obsidian Conference)に参加し,島根県隠岐の黒曜石原産地と原産地判別システムについての口頭発表を行った。本シンポジウムで発表した内容をまとめた論文は国際学術雑誌(Inventaria Praehistorica Hungariae)投稿し受理された(5.28)。 この他,明治大学黒耀石研究センター設置の波長分散型蛍光X線分析装置の検量線の更新を行い,これまで通りの信頼性と精度を保った状態で,今後,継続的に黒曜石の定量分析が可能であることを確認した。これについては,2020年度の資源環境と人類(明治大学黒耀石研究センター発行)にて報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析装置のトラブルもなく予定通りに分析を実施することができた。 予定通りに国際シンポジウムに参加し,口頭発表を実施することができた。 北部九州の原産地調査を,予定通りに実施することができた。 論文投稿に必要なディスカッションも実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
北部九州の黒曜石原産地の調査を行う予定であり,また特に2019年度の調査によって採取した試料を明治大学黒耀石研究センターにてWDXRF分析を8月から9月にかけて実施する予定である。また,九州大学アジア埋蔵文化財研究センターにて,分担者の足立が,LA-ICP-MSを用いた隠岐と壱岐の黒曜石の希土類元素分析を行う予定である。また,2021年度の5月に実施予定の国際シンポジウム(International obsidian conference, CF, USA)での口頭発表に向けたディスカッション等を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により研究打ち合わせを年度内に行うことができず次年度に行うこととしたため。また,分析結果を早急に公表する必要性が出たため論文執筆に専念することし,年度内に予定していたLA-ICP-MS分析の一部を次年度に行うことにしたため。次年度に合計60試料のLA-ICP-MS分析を行うためのWDXRF分析(明治大学黒耀石研究センター)の消耗品や旅費として使用する予定である。
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