研究課題/領域番号 |
19K01134
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
澤藤 匠 (蔦谷匠) 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (80758813)
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研究分担者 |
木下 こづえ 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (50724233)
澤藤 りかい 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 日本学術振興会特別研究員(CPD) (50814612)
安達 登 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60282125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 妊娠 / ホルモン / プロテオミクス / 古人骨 / 歯髄 |
研究実績の概要 |
受理済みの倫理審査において設定した枠組みのもと、山梨大学医学部附属病院において、現代人の歯髄資料を収集した。出産後に歯科治療に訪れた患者さん複数人、および、対照群の位置づけとなる妊娠経験のない患者さん複数人より、本人の同意のもと、歯科治療のために抜去された歯を収集した。また、それぞれの所属機関において、プロテオーム分析およびホルモン分析のための実験系の立ち上げを実施した。総合研究大学院大学においては、歯試料を分割して歯髄を取り出す系を確立した。取り出した歯髄は、横浜市立大学医学部において、タンパク質を抽出し、液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析計(LC-MS/MS)によって、組織中に存在するタンパク質を網羅的に同定した。現在、結果のデータ解析を進めている。古人骨資料に関しては、遺跡発掘報告書などを確認して事例を洗い出し、現在のところ全国に6事例を認めた。これらの骨資料管理者に連絡をとり、うち5例で破壊分析の許可を取得した。また、密閉された土器の内部に残存した有機物の古代プロテオミクスの機会にも恵まれた。海洋研究開発機構に設置されているLC-MS/MSによって分析を実施した。しかし、確実なタンパク質は同定されず、抽出法の改善が必要であることがわかった。 COVID-19のパンデミックにともない、資料を受け取りに訪れることや、測定場所まで移動することが困難となり、全体の研究は従来の予定よりも遅れた。しかし、実際に実験や分析が必要なステップはすべて終えており、あとはデータ解析を実施するだけで結果が得られる見込みである。
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