研究課題
基盤研究(C)
本研究では、様々な形態の文化財に対して赤外線画像の適用を試みた。歴史資料として高松松平家伝来の「博物図譜」を対象に、ハイパースペクトルカメラで得られた反射スペクトルの分布図と赤外線画像との比較から、赤外線画像が彩色材料の違いを表していることが確認できた。また染織品に対しても赤外線画像の適用の有効性を明らかにした。様々な形態の文化財に対して、彩色材料の面の広がりを把握するのに赤外線画像は非常に有効であることが分かった。
保存科学
本研究では歴史資料や浮世絵などの刷物、染織品等に使用された彩色材料に対して、赤外線画像を使った調査が有効であるか検討した。様々な形態の文化財の彩色材料に対して分析機器による点分析の結果を面の広がりとして把握するのに、安全で簡便に調査できる赤外線画像の利用は非常に有効である。赤外線画像が様々な複合材料で構成された文化財に広く活用できれば、点だけの情報に面の情報を加えることができ、文化財の科学調査に対して大きく貢献できると考える。