研究課題/領域番号 |
19K01137
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
湯浅 万紀子 北海道大学, 総合博物館, 教授 (60182664)
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研究分担者 |
清水 寛之 神戸学院大学, 心理学部, 教授 (30202112)
藤田 良治 愛知淑徳大学, 創造表現学部, 准教授 (40515102)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 企業博物館 / 博物館体験 / 長期記憶 / 博物館評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、研究代表者らによる博物館体験の長期記憶に関するこれまでの学際的共同研究の成果を企業博物館に新たに応用し、企業博物館が果たしてきた役割を、博物館と多様なステークホルダーとのCorporate Communicationの観点からそれぞれの博物館体験の長期記憶の意味を探求して明らかにすること、そして、今後の多様化する社会において企業博物館が積極的な役割を担うための新たな活動指針を示すことである。 初年度は、国内の企業博物館の理念や設立経緯、活動状況について、文献や各館のホームページから調査を進めた。そのなかから、特色ある活動を展開している竹中大工道具館(兵庫県神戸市)を調査対象として選定し、同館に本研究の目的を説明し、調査方法を相談した結果、調査研究にご協力いただけることになった。同館の各種ステークホルダーへの質問紙調査・面接調査を開始した。質問紙と面接調査の項目は、研究代表者らによるこれまでの学際的共同研究で実施したものを本研究用に改訂した。今年度の調査協力者は、来館者15名、メンバーシップ会員6名、ボランティア14名、職員8名である。質問紙調査のデータ入力を完了し、面接調査の録音データの書き起こしを進めている。来年度以降の調査方法についても同館と調整を進めた。 他に、カワサキワールド、アシックススポーツミュージアムなど関西圏を中心に企業博物館に視察調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
竹中大工道具館に調査研究にご協力いただき、同館の来館者、メンバーシップ会員、ボランティア、職員といったステークホルダーへの質問紙調査・面接調査に着手し、本研究の目的を達成するための貴重なデータを収集できた。質問紙調査のデータ入力は完了したが、面接調査の録音データの書き起こしはまだ完了していない。 国内の企業博物館全般の基礎情報についても文献や各館のHPで情報収集を進められたとともに、主に関西圏の数館の企業博物館について視察調査を進めることができ、次年度以降の調査の方向性を検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に調査に着手した竹中大工道具館について、更に多様なステークホルダーへの質問紙調査・面接調査を実施する。新型コロナウィルス感染症拡大への対策として、面接調査を実施できない場合の対応は、共同研究者とともに検討して同館に相談し、代替方法を模索する。質問紙調査・面接調査の分析を進める。 企業博物館全般に関する文献調査および視察調査を継続し、更なる調査協力館についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月に竹中大工道具館で職員・来館者を対象にした質問紙調査・面接調査の実施を計画していたが、新型コロナウィルス感染症拡大への対策として、調査を中止せざるを得なかったため、次年度使用額が生じた。
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