研究実績の概要 |
【植物標本の情報データベース整備】2023年度は、岐阜大学教育学部附属郷土博物館植物標本庫の簡易データベースの再検討を継続している。また、本標本庫を、植物標本庫の世界的データベースであるIndex Herbariorumへ正規に登録した。本研究により外部の専門的な協力を得たことで標本データの整備が大きく進み、期間を通して約2,800点の登録を行うことができた。 【実物を使用した体験的な授業や実習での教材開発】2023年度までに行った岐阜市及び県内各所の校庭の植物調査の報告、ならびに現場の教員がすぐに使うことのできる「授業指導案および解説書付 岐阜を学ぶ植物標本セット」、「学校の校庭の草花を調べる植物標本セット」の実践授業についての報告を準備している。また、子供が自分で種類を調べることのできる「校庭植物図鑑」を改訂し、全県小中学校への紹介と希望校への配布を行った。 【展示会や学習会等への植物標本の活用】2023年度の岐阜県博物館協会との連携事業展示「植物学の礎」では、のべ7,805人の観覧があった。また、学生自主企画のキャンパス自然観察会では、協働した標本庫の見学会を行っている。本研究期間を通して、地域の植物相とその研究成果である植物標本・標本庫に関する展示会・学習会を積極的に行うことで教育普及に努めた。 【研究成果の社会還元】本研究期間を通じて、岐阜県レッドリスト改定に必須である希少種の証拠標本の維持管理を担っている。また、大学の講座HPに新たなサイトを開設し、貸出標本セット及び授業指導案・解説書の普及を計る。2024年12月には、希少植物に関する大学シンポジウムを企画しており、地域における植物標本庫の役割について広く情報発信する予定である。
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