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2020 年度 実施状況報告書

歴史的な鳥瞰図に対する博物館学的な視点から観た数値標高モデルによる再構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K01149
研究機関神奈川県立生命の星・地球博物館

研究代表者

新井田 秀一  神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (20228125)

研究分担者 武田 周一郎  神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (10803273)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードCG鳥瞰図 / 吉田初三郎 / 画像解析 / 景観 / 文理融合 / 歴史的景観図
研究実績の概要

観光振興のために作られた鳥瞰図は、地図情報としては正確さを欠く部分があるが、部分的な誇大や強調により実際の情景を写真的に表しているように見える。ここでは、描画されている地物の位置関係や投影法などを解析して数値標高モデルを用いた鳥瞰図を作成し、自然科学的な地形や地質の表現だけでなく、対象物の取捨選択について当時の状況や時代背景などの現代史・歴史地理学の知識を合わせて解析し、これらの図が持つ主張や意図を解読することを目標とする。
「神奈川県鳥瞰図」では、表題の通り神奈川県全体を描いている。そこでは、横浜・川崎、三浦半島、丹沢、箱根などの特徴的な地形・地表面を、強調や歪みによって描いていることがCGを使った再現の過程で分かってきた。このことは、構図として複雑であるため、単純なパターンとして小田原を中心に描いている「小田原景勝鳥瞰図」について、解析を行った。
「小田原景勝鳥瞰図」については、奥付に発行年の記入がないため、正確な発行年が不明であったが、描かれている施設の名称からある程度の推定が行えた。特に、明治天皇旧跡の説明が解説文で大きく取り上げられているが、石碑の建立に関与した団体が小田原市立図書館に揮毫を収めていることが確認できた。また、小田原市史通史編「近現代」の口絵にある吉田初三郎作の肉筆画4枚が掲載されているが、これらが絵葉書として配布されていることが確認でき、鳥瞰図に関連して作成されたものであることが推定される。これらについては、小田原市立郷土文化館に収蔵されていることが確認できた。
途中の成果としては、11月に神奈川県立生命の星・地球博物館で開催した地形地質観察会にて座学および野外観察を一般県民向けに行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、調査の際に所蔵を確認できた肉筆画や揮毫原図類について、その収蔵館である小田原市立図書館や小田原市郷土資料館に赴き、現物確認などの調査を行うことができなかった。ほか、研究分担者との共同調査も十分進捗しなかった。

今後の研究の推進方策

令和3年度も引き続き、新型コロナウィルス感染症拡大防止対策の影響がどこまで響くのか不透明である。不要不急の外出を控えないといけない状況では、普及講座(観察会)や他館へ出向いての調査などの研究活動に影響が生じてしまうが、それをできるだけ少なくする方法を模索中である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、県内外への移動制限や接触機会低減などの方策により、在宅勤務や業者への発注抑制が生じたため。

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公開日: 2021-12-27  

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