申請者らが構築・公開している「近代東京ジオコーディングシステム」などを用いて,1925年の旧東京市を対象として行われた交通量調査史料から,乗用自動車,自転車,手荷車について当時のOD交通量を推定した. その結果,乗用自動車においては東京駅や上野駅といったターミナル駅を起終点とする交通が多くみられた.また,新宿や渋谷方面から流入する交通は幹線道路に沿った高級住宅街や官庁街で多く吸収されていたことが明らかとなった.自転車においては上野や万世橋などの利用者の多い駅周辺を起終点とする交通が多くみられた.手荷車においては物資の届く秋葉原や飯田町といった鉄道駅を起終点とする交通が多くみられた.
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