研究実績の概要 |
本研究は、不動産の開発・保有・利用にかかわる主体の変化を分析することで、日本における不動産の金融化の進展状況を明らかにするとともに、不動産の金融化が地域社会とグローバル経済の結合をどの程度深めているのか、また不動産の金融化を通じてグローバルな経済動向が地域社会にどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目的とするものである。 2022年度は日本における不動産の金融化の進展状況に関する分析結果のうち、既刊の報告で公表できなかった、メガソーラー開発の地域構造に関する調査結果を整理し、不動産の金融化を通じた地域社会とグローバル経済の結合に関する論考(地方圏の土地は金融化されるのか?: 津山都市圏におけるメガソーラー開発を事例に.地理学評論 96 (1), 94-109)を公表した。 また、日本における不動産の金融化の進展に関して、2000年代中半のミニバブル期以来の急激な拡大を示した2018年~2020年の状況を既刊の論考(“The Financialization of Real Estate in Japan: The Formation of a Core-Periphery Structure “ 2021, Regional Studies 56, 128-139, KIKUCHI Y, Teshima K, Yoshino K)を再構成し取りまとめた(日本における不動産の金融化: 中核-周縁構造の形成季刊.住宅土地経済 125 , 10-19)。 以上に加えて、2022年度から日本における不動産の金融化の進展に関する研究成果に基づき、不動産投資信託による不動産取得が都市内における地価形成に与える影響を分析する国際共同研究をスタートさせた。
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