研究課題
基盤研究(C)
本研究で事例調査対象としたオーストリアの都市では、いずれの都市でも都市の持続可能性を高めることが都市間競争でも有効であるとの認識にもとづいて都市マネジメント戦略が立案されていた。また、いずれの都市でも環境・経済・社会の持続可能性を高めるための計画が策定・実施されている。しかしながら、都市の持続可能性への対応における強調点や、都市マネジメント戦略における競争力強化に関する強調の程度は異なる。こうした都市マネジメントの差異は、各都市の位置や地形的条件、中心産業の差異などの地理的要因が影響している。
人文地理学
本研究は、これまで日本において研究蓄積が十分になされていないオーストリアの都市マネジメントの現状を、都市の持続可能性に関わる対応を中心に検討し、都市の持続可能性に関わる地理的要因を解明したことによる学術的貢献が大きい。本研究は、今後の日本の都市整備事業に必要な、地方分権の内容、都市マネジメント、住民の地域への帰属意識のありかたなどを検討する際に重要な視点を提案する基礎的研究として大きな意義を有する。