研究課題/領域番号 |
19K01176
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
田部 俊充 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20272875)
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研究分担者 |
大西 宏治 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (10324443)
寺本 潔 玉川大学, 教育学部, 教授 (40167523)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ラーニング・プログレッションズ / 地理教育 / 地理学 / 地理的概念・思考 / 海外の地理教育 / アメリカ合衆国 |
研究実績の概要 |
■2019年度の研究の成果 ・日本の地理教育における地理的概念の教授による変容についての整理・・・研究代表者の田部は日本地理教育学会(8/22)において地理的概念の入門期における位置的内容の教授についての基礎的研究の共同発表を行った。7月には東京都中野区の中学校において,「北アメリカ州」の移民の学習について,生徒が持つ地理的概念である「移民」についてどのように変化するのか実験的に試みた。11月,12月には東京都の小学校2校の第5学年社会科出前授業において,世界の学習のなかで地球温暖化に対する児童の考えを深めるための教材開発を行った。2020年度以降,地理的概念の教授による変容について授業分析を行いたい。研究協力者の寺本は兵庫県南あわじ市の小学校において実験的な出前授業を実施した。これは兵庫県及び淡路島内の産業や観光資源に関する内容を児童がメンタルマップとして形成することを促す地図教材の開発につながる授業として実施した。 ・英語圏の地理教育におけるラーニング・プログレッションズ研究の整理・・・国内外のラーニング・プログレッションズ研究の文献を収集し整理した。日本では理科教育の先行研究が多く見つかった。研究代表者の田部は2月に米国ロサンゼルスの小学校,高等学校の地理の授業を参観し,教員に取材し,カリキュラムや使用している教科書等を収集することが出来た。研究分担者の寺本は,地理教育を題材にしたラーニングプログレッンズに類する研究例を調べるため、NCSS(全米社会科協議会)アトランタ大会(11月22-24日開催)に参加し,NGS(ナショナルジオグラフィック社)やいくつかの州の教員による発表を視聴した。その結果,ICT活用の地理学習や州を単位にした地理概念の指導に力点を置いたアメリカの傾向がつかめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内外ラーニング・プログレッションズに関する資料調査やカリキュラム検討は鋭意進みつつある。また,日本における地理的概念の教授による変容を意識した実験授業も行われている。 ただし,研究代表者の田部もNCSS(全米社会科協議会)アトランタ大会(11月22-24日開催)に参加して情報を収集する予定であったが,公務と重なってしまい参加できなかったため資料収集が不十分になっている。中国におけるラーニング・プログレッションズの状況を視察しようと2月に中国・広州及び深センへの出張を予定したがコロナ感染症拡大のため出張中止となったため,資料収集が不十分になっている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、国内外の動向研究や日本における地理教育における児童の持つ地理的概念の変化と発達の理論的構築に尽力していく。そして実際の実験授業において地理的概念の発達に寄与するカリキュラム及び教材開発を行い試行的授業実践を重ねるとともに,実証的な研究の分析手法を模索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは謝金使用がコロナウィルス感染拡大のため予定通りに進まなかったため。2020年度は旅費,人件費を早目に使用するなど計画的に使用したい。
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