研究課題
基盤研究(C)
本研究は、日本における外国人介護労働者の受入れの変化と、この労働者の地域的な分布を分析した。2008年以降、受入れ要件の緩和、介護労働力の不足等を背景に外国人介護労働者の受入れが増加した。都道府県別の分析から、外国人介護労働者の受入れ数が北海道、東北、九州の各地方で少ないのに対し、東京都、愛知県、大阪府などの大都市圏で多いことが明らかになった。
人文地理学
地理学では、労働力需給の地域的不均衡、それにともなう地域間労働力移動の実態解明が試みられてきた。先行研究では、特に大都市圏で増大した労働力需要を国内の非大都市圏からの供給により充足してきたことが明らかにされた。本研究では介護サービス業を取り上げ、新たに設けられた外国人受入れ枠組みのもと、大都市圏で不足する労働力の一部が外国人によって充足されているという成果を得ることができた。外国人労働力を対象にした本研究の成果は、大都市圏における現在の労働市場の全体像の究明に貢献することができる。