研究実績の概要 |
2019年度にはガーンジー島に行き、H.J.フルールの家族の戸籍資料とフルールが所属した研究団体の年次報告書と論文などを精査した。2020年3月には、「ガーンジー島における海洋動物学者H.J.Fleureの形成―アベリストウィス大学、地理学・人類学部初代教授の学術的背景―」(単著)を学内誌「立命館文学」に発表した。 この成果をもとにして、2020年度にはウェールズのアベリストウィス大学とカーディフに位置するセントファガンス国立歴史博物館での資料調査を予定していた。しかし、コロナ禍ですべての予定を断念せざるを得なかった。 このような状況のもとで、できる範囲のことを進めることにした。2020年度には、2019年度にガーンジー島で収集した資料だけをもとにして、H.J,フルールが受けた海洋動物学の教育と、彼がアベリストウィス大学で行った教育との関連性を考察し、下記のように英語で論文を発表した。 ガーンジー島の定期刊行物であるThe Review of the Guernsey Society, vol.76, No.3, Winter, 2020に拙稿”Education and Pedagogy of Marine Zoologist and Geographer Professor Herbert John Fleure”が掲載された。わずかではあるが成果を作ることができた次第である。 フルールの出身地であるガーンジー島で、彼の学問的な業績のすべてが知られているわけではない。特に、ウェールズと北アイルランドで野外博物館を創出したI.C.ピートとE.E.エヴァンスらとフルールとの関係はほとんど知られていない。それらに関して英文で紹介した。
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