研究課題/領域番号 |
19K01199
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松村 圭一郎 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (40402747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 経済人類学 / 移民 / 難民 / 人間の経済 / グローバル化 |
研究実績の概要 |
本研究は、エチオピアから中東やヨーロッパへの出稼ぎ民/難民の実証研究をとおして、グローバルな人の移動が急速に拡大し、市場の論理による経済システムが世界を覆うなかで、いかに「人間の経済」の領域が存立しうるのかという問いを考察する。 初年度である2019年度は、移民・難民に関する人類学などの研究文献の収集と整理を中心に研究を実施した。さらに「人間の経済」を考察するための準備作業として、富を分配するという平等主義的な概念を人類進化の射程からとらえなおす論考を刊行した。こうした問題意識を共有する経済人類学や政治人類学の専門家と、執筆した論考をもとに議論を行い、今後の研究の課題を把握した。 なお、3月にエチオピア農村での現地調査を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響で海外渡航が制限されるなかで、エチオピアでの現地調査は断念した。そのため、渡航費のために用意していた経費は翌年度に繰越し、状況が改善したときに現地調査に着手する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で海外渡航が制限されるなかで、2019年度は3月に予定していた現地調査を断念したため、研究計画に若干の遅れが生じている。渡航費のために用意していた経費は翌年度に繰越し、状況が改善したときに現地調査に着手するとともに、研究の遂行を加速させる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も人間の経済に関する理論的考察と同時に現地調査の実施を予定している。感染症の流行による調査の遅れをカバーするために今後、「国際共同研究加速基金」への応募などを検討し、集中的に現地調査を行うことも視野に入れて計画を再考している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で、3月に予定していたエチオピアの現地調査を断念したため、渡航費として予定していた使用額を翌年度に繰り越した。
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