研究課題/領域番号 |
19K01200
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
辻 貴志 佐賀大学, 農学部, 特定研究員 (30507108)
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研究分担者 |
廣田 勲 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (50572814)
稲岡 司 佐賀大学, 農学部, 名誉教授 (60176386) [辞退]
藤村 美穂 佐賀大学, 農学部, 教授 (60301355)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 物質文化 / ラオス / 水田漁撈 / 筌 / 漁具 / 東南アジア |
研究実績の概要 |
2021年度も引き続きコロナ禍の影響で、ラオスでの現地調査は叶わなかった。しかし、国立民族学博物館での水田漁撈に関する物質文化的調査を展開することで、学会発表および学術論文として成果を公表することができた。 国立民族学博物館でのラオスの水田漁撈具に関する物質文化的研究は、同博物館の収蔵品および展示品を対象におこなった。とくに、水田漁撈で頻繁に用いられる筌に着目し、同館において熟覧可能な標本資料について調査研究をおこなった。調査は共同研究者である岐阜大学の広田勲とともに実施した。筌の素材や地域性をはじめ、筌に関する情報について調査研究をおこない、その成果を国際学会や雑誌において公表した。 水田漁撈具のなかでも、水田漁撈を特徴づける筌について調査することは、ラオスの水田漁撈研究においておおいに意義が認められる。また、国立民族学博物館に収蔵されている筌については、物質文化を専門としない研究者によって収集されたものであり、ラベルの情報がきわめて不十分であることから、欠けている情報を追加することは、資料の価値を学術的に高めることに大きく貢献し、重要な作業である。 筌はまた、世界的に確認できる人類の原初的な食料資源獲得のための道具として重要な物質文化であり、ラオスの筌を記録することで、世界の筌利用文化との比較が可能である。実際に、研究代表者らは世界の筌に関する民族誌を収集し、論文として刊行し、本研究において実績を積んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の骨子となるラオスでの現地調査がまったくおこなえていない状況である。しかし、その代替措置としておこなっているラオスの水田漁撈具の物質文化的研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の完了には、ラオスでの現地調査をおこなうことが必要である。そのための体制は整っており、機を見計っている段階である。ラオスでの現地調査が叶わない場合は、ラオスの水田漁撈具の物質文化的研究について、国際学会や国際誌において発表を継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において、当初予定していたラオスでの現地調査を実施することができなかったことにより次年度使用額が生じた。本研究は繰越申請済みであり、今年度に計画しているラオスでの現地調査において適正に使用させていただく。
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