現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、主としてフィリピン人、ベトナム人など日本に在住する外国籍のカトリック信徒が日本のローマ・カトリック教会の活動にいかに参加しているか、さらに日本人信徒を中心に運営されてきた教会がどのように外国籍の信徒を迎えいれるかについて検討しようとしている。 2009年6月現在の在住外国人は2,829,416人(法務省統計)で、国籍別に多い順に中国 786,241人、韓国 451,543人、ベトナム 371,755人、フィリピン 277,409人、ブラジル 206,886人となる。ベトナム人はここ数年急激に増加した。ベトナム本国では国民の8%、フィリピンでは83%、ブラジルでは70%がカトリック信徒である。ベトナム人は都道府県別では埼玉県(25,792人)、千葉県(20,389人)、東京都(38,630人)、神奈川県(22,459人)、愛知県(36,729人)、大阪府(30,131人)となり、首都圏、名古屋、大阪に多い。フィリピン人の場合も首都圏、愛知県に多い。 ベトナム人については東京都、埼玉県で、フィリピン人はそれらに加えて岩手県、福島県、山形県の教会で、ミサ(日本語、英語、タガログ語、ベトナム語など)、教会活動、日本人信徒との関係などの調査を進めた。大多数のベトナム人は20代の男女であり、技能実習生または日本語学校留学者で、東京と埼玉のいくつかの教会では多数のミサ出席者がみられる。ベトナム語ミサはベトナム人司祭、同修道女により準備されており、信徒が特定の教会のメンバーとして活動することはまだほとんど見られず、日本人信徒との接触も限定的である。 フィリピン人、とくに女性のなかには日本人と結婚し、地域に根付いて生活している人たちが多く、日本語ミサに出席しているケースも少なくなく、日本人信徒との交流も進んでいることが理解された。
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