研究課題/領域番号 |
19K01217
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
三尾 稔 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (50242029)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ヒンドゥー教 / 祭礼 / ローカリティ / 展示 / 映像 |
研究実績の概要 |
本科研費によるインドでの現地調査の成果を一部として含む国立民族学博物館特別展「交感する神と人-ヒンドゥー神像の世界」展を実行委員長として2023年9月14日から同12月5日の間開催した。この特別展は、ヒンドゥー教世界における神像を通じた人と神の相互交流の様相をさまざまな視点と資料で紹介することが大きな目的であった。ヒンドゥー教信者たちがそれぞれのローカルな伝統に根差しつつ祭礼を挙行するという実践も、神と人との交流の非常に重要な実践となっている。こういった祭礼の様子は本科研費での現地調査において動画として撮影しているが、この特別展ではこういった動画を編集して公開した。 また、特別展に合わせて三尾が編者となって編集・出版した図録(特別展と同名のタイトルとなっている)では、人びとがローカルな伝統とのかかわりの中でどのように神像と接し、また祭礼を挙行しているのかということについて解説を試みた。さらに特別展に関連して開催した学術講演会(2023年10月21日国立民族学博物館で開催したみんぱくゼミナール。公演題目『暮らしの中に現れる神がみ―現代ヒンドゥー教徒の生活の場から』。一般公開)においても祭礼とローカリティの関りに関して検討を加えた。 本年度はこうした形で研究成果の一般への公開に注力した。科研費は上記の映像編集の業務委託経費として執行したほか、特別展を通じた成果公開のための打合せの旅費として使用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響を受けて現地調査が行えない時期がしばらく続いたものの、コロナ禍以前やコロナ禍明けに実施した現地調査の成果を展示、映像、図録、講演といったさまざまな形態で一般向けに公開・発信できている。展示は約3万5千名の入場者が集まった他、講演会には185名の一般参加者が来場し、アンケート結果も好評であった。研究内容の公開として非常に大きな成果を得たものと判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度が最終年度となるが、これまでの調査データの整理を行うとともに、本テーマに関する最終的な現地調査を実施する。その成果、及びこれまで実施してきた調査の成果を最終的にまとめ、論文を執筆して学術的な成果として発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画ではテーマに関連する現地調査を長期間にわたって実施する予定であった。しかし、調査対象地域であるインドにおいても新型コロナウィルス感染症流行の影響は限定的だが残っており、現地調査の実施は慎重かつ短期間でのみ行う必要が生じた。また、調査データ整理等のための謝金は申請者が実施している別のプロジェクト経費から支出することが可能となった。これらの理由により当初計画よりも支出が抑えられた。 来年度はこのテーマに関する最終的な現地調査を実施するとともに、テーマに関連する資料やデータの整理作業の補助への謝金の支払いを行う。
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