研究課題/領域番号 |
19K01219
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
ボレー セバスチャン 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (70751676)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 災害 / 遺族 / 遺体 / 慰霊 / 宗教 / 日本 / インドネシア / フランス |
研究実績の概要 |
本研究は、最近の三つの巨大災害:2011年東北地方太平洋沖地震、2004年インドネシアインド洋津波、および2003年フランスの熱波における大量死の管理を調査し、教訓を引き出す。 今年度の活動は、犠牲者の遺体の管理や遺族の体験に関する情報を収集することであった。日本では、石巻市、東松島市の事務所をを訪問し、2011年の東日本大震災の遺体管理を担当した職員の方々に話を伺った。これらのインタビューは、東日本大震災の間、遺体を取り扱い、葬儀の習慣(例えば火葬)に従うことの困難に直面する重要な情報を提供してくれた。彼らはまた、これらの経験を記録し、日本における将来の大量死に備えるための必要性を強調した。フランスでは、2003年に熱波の犠牲者の遺体を処理したパリ墓地を訪問し調査を行った。フランス国立図書館からアーカイブと情報を取集し、パリ市役所で2003年熱波に関するアーカイブを特定した。インドネシアに関しては、ソーシャルメディア、オンライン資源及びデジタルアーカイブを用いて、インドネシアにおける災害の犠牲者の遺体及び魂の管理に関する更なる情報を収集した。その成果には、国際会議での発表の際に予備的知見の議論を普及させることが含まれる。我々はフランスのパリ大学の国際ワークショップに招かれ、私の研究を発表した。また、東北大学で開催された国際ワークショップでは、遺体の処理と災害に関するセッションを開催した。更に、国際編・学術誌の新刊を作成し、フランス国立研究センターと共同で新しいブログ「危機の時代の死」を開設する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年の目標のほとんどは完了した。我々はフランスを訪問し、犠牲者の遺体管理に関するデータの収集について進展を見た。また、インタビューや調査は行っていないが、遺族の体験についてのデータ収集も始めた。日本では、遺体の管理や遺族の経験に関するデータを収集することで進展が見られた。しかし、唯一遅れているのは、遺体と犠牲者遺族の調査、そしてバンダアチェのインドネシア赤十字社職員への2004年スマトラ津波の犠牲者の処分についてのフォローアップインタビューである。3月に予定されていたこの研究旅行は、COVID-19のパンデミックのため延期せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、COVID-19のパンデミックが終息し、インドネシアとフランスへの渡航許可が出るまで、計画通りに実施される予定である。インドネシアとフランスに行き、遺体の管理や犠牲者の遺族に関する調査を行う予定です。フランスでは、2003年の熱波を記念する方法を研究する。最後に、我が国における東日本大震災の犠牲者・遺族の遺体管理に関する調査を終了する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の世界的流行のため、3月の研究旅行を延期しなければならなかった。共同研究者と連絡を取り、来年度この研究を行うことに同意した。
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