研究課題
2011年の東日本大震災、2004年のインドネシア・インド洋津波、2003年のフランス熱波という最近の3つの巨大災害における大量死の管理を検証し、そこから教訓を引き出している。今年の活動では、昨年(2021-2022年)収集した犠牲者の遺体管理や遺族の経験に関する情報を分析した。東日本大震災については、研究資料やインターネットのサイト、その他ブログのエントリーなどを収集した。東日本大震災から11年目のメモリアルイベントに参加し、追悼式や被災地の復興にCovid-19がどのような影響を与えたかを記録した。また、1995阪神淡路大震災における遺体の扱いや葬儀の慣習に従うことなどにも研究を広げた。フランスについては、2003年のフランスの熱波による大量死の管理を収集するための調査旅行を再び延期せざるを得なくなった。その代わりに、このテーマに関する第二の文の分析を始め、フランスの集団死亡事故に対する備えについてさらに資料を収集した。フランス国立科学研究所(C N R S)の主な共同研究者であるエリザベス・アンステットとは、共同研究を継続した。特に、3.11 の災害時の死者・遺族への対応における宗教機関の関与について研究している博士課程の学生に対し、新たに共同指導を開始し、日本学術振興会の短期研究費を確保した。また、2004年のインドネシア・インド洋津波に関する現地調査も延長された。シアクアラ大学津波災害軽減研究センター(TDMRC)のアルフィ・ラーマン博士と、2004年津波の語り継ぎと災害教育について新たな共同研究を立ち上げた。我々は、インドネシアのパートナーが、私抜きでインタビューや儀式の記録、災害に関連するその他の資料を実施できるようなハイブリッドな研究方法を考案した。災害に関する会議、サマースクール、その他の公開セミナーも一緒に開催した。
4: 遅れている
昨年と同様、今年もほとんどの活動を行うことができなかった。今年度はフランスやインドネシアを訪問し、共同研究者を通じて遠隔地での調査も行う予定であった。しかし、COVID-19が国内外で大流行しているため、渡航制限があり、現地でのインタビューや遠隔での調査は延期せざるを得なかった。その代わり、共同研究者に連絡を取り、来年の代替案をいくつか用意した。もし、来年も渡航できない場合は、テレビ会議システムを使った遠隔インタビューやオンライン調査などを計画した。また、協力者は、災害に関する儀式やその他の行事を記録し、翻訳し、書き写すことに同意した。さらに、文献や資料、オンラインデータを収集し、まとめたデータの分析を開始し、学会で研究成果を発表し、学術論文を作成した。
コロナの状況は世界的に改善されていないため、来年度中に完了できなかったフィールドワークをすべて実施する予定である。インドネシアでの調査を2回(夏期と2004年インド洋津波記念日に実施)、フランスへの出張を1回計画した。また、ビデオインタビューやアンケート調査などの遠隔調査を実施する予定である。さらに、インタビューの書き起こし、翻訳、分析には共同研究者が協力する。また、この1年間は、共同論文の執筆や口頭発表も行う。
次年度使用額が生じた理由は、Covidー19のパンデミックのため、国外・国内の旅行があまりできなかったためである。 次年度使用額が生じた使用計画、今年度中に完了できなかったフィールドワークのすべての実施と、この資金を使用して、フランス、インドネシア、日本での現地調査やオンライン調査を行う予定である。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件)
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