| 研究課題/領域番号 |
19K01228
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
阿部 哲 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (90732660)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 文化人類学 / イスラーム / 近代西洋科学知 / 環境問題 / イラン |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、昨年度からの研究活動を継続する形で、主にオンライン媒体資料に基づいて、諸科学分野で発展をみるイスラーム伝統の研究を進めた。また、新型コロナ感染拡大による移動制限により、現地調査を実施できなかったものの、現地の研究協力者と連携しながら、本研究課題に係るデータを収集、蓄積することができた。さらには、パンデミックによる深刻な影響を受けてきたイランでは、新型コロナウイルス感染症に関する言説が多方面で展開していることが明らかとなり、特に（科学者が牽引する）公衆衛生分野におけるイスラーム法学者・専門家の知的貢献のあり方について知見を広げ、イスラーム伝統を多角的に考察することができた。ただ、昨年度に引き続き本年度も、新型コロナ感染拡大を受け、現地調査を実施できなかったことによる影響があるため、来年度の研究計画を再考し、データの補完のあり方について注意深く検討していく必要がある。
本年度の研究成果は、日本語と英語による複数の査読付き論文や学会発表を通して、広く社会に発信することができた。また、報告者を中心として2019年度に開始した国際共同研究プロジェクトが終了し、その成果を英語による共編著として刊行し、国内外の読者に公表することができた。来年度は、研究計画を再考の上、文献資料調査とともに、（できれば複数回の）現地調査を実施して、これまで蓄積してきた情報と統合しながら研究成果をまとめ、本課題を完遂したい。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、当初の調査計画の変更を強いられたために、研究の進捗はやや遅れている。今後は、オンライン媒体資料を通じて調査を継続し、パンデミックの状況を見極めた上で、適切な時期に現地調査を実施する。
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| 今後の研究の推進方策 |
来年度における目標として、まずはフィールド調査を実施し、環境分野におけるイスラーム知に基づいた言説や実践のあり方を捉え直し、既存の資料と照らし合わせながら、研究成果をまとめ上げることである。加えて、環境問題を切り口として、コロナ禍で科学知をめぐる言説が多様化している諸分野でのイスラーム的伝統についても調査を継続し、その展開のあり方を複眼的に探究し、研究成果の発信を目指す。
研究成果は国内外の学会において発表を行い、また、単著・共著論文の執筆にも取り組む。さらに、得られたデータを国際的・学際的視野から論じることを目的とした、国際共同研究等を通して見識を深め、本課題を締め括りたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大のために、当初の調査計画(当該年度科研費使用計画)を変更をする必要に迫られた。来年度は適宜、研究対象地域で 調 査を実施し、当該年度科研費を使用することを計画している。
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