研究課題/領域番号 |
19K01229
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
奈倉 京子 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (70555119)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中国 / ポスト社会主義的状況 / 親密圏と公共圏 / 障害のある子どもをもつ親 |
研究実績の概要 |
2019年度の計画は、中国・蘭州市における実地調査を実施することが目的であった。調査は8月と10月に順調に実施することができ、多くの成果が得られた。 調査内容は、①民営の知的障害児教育支援センターでの、運営者と親への聞き取り、②甘粛政法大学でソーシャルワークを研究する研究者との意見交換、③「慧霊」の蘭州サービスセンターにおける、職員への聞き取りと参与観察、である。聞き取りは、テープお越しをし、それを日本語へ翻訳してスクリプトを作成し、一字資料として整理した。 現地調査とともに、中国の障害(者)を対象とした日本語、中国語、英語で刊行された先行研究を収集し、それらの研究の観点を整理した。また、同時に、調査対象を分析するための理論的枠組みを設定するために、障害学、福祉社会学、ポスト社会主義人類学の文献を読み込んだ。これまでの成果に基づき、下記の2本の研究論文を執筆し、すでに刊行されている。 ・奈倉京子 2020「中国のポスト社会主義的状況における公益慈善団体―知的障害者支援団体「慧霊」を事例として」『和崎春日先生退職記念論文集』刀水書房、pp.350-370. ・奈倉京子 2019「現代中国の「社会工作」システムからみる社会的弱者の排除と包摂―政府・党による障害者支援政策―」『国際関係・比較文化研究』18(1):21-39.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
中国・蘭州における現地調査を順調に進めることができ、難易度の高い聞き取り調査も現地の協力者のおかげで計画以上に実施することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の調査を継続させるつもりであるが、今年度は新型コロナウィルスの影響も危惧されるため、SNSを利用して調査対象者と関係を維持しながら、これまでの聞き取り内容をもとに、どのような分析が可能かどうかを模索し、報告書や論文を執筆することに集中して、次の現地調査の課題を明確にすることを検討している。
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