研究課題/領域番号 |
19K01230
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
石本 敏也 聖徳大学, 文学部, 准教授 (00406745)
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研究分担者 |
松田 睦彦 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (40554415)
卯田 宗平 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 准教授 (40605838)
磯本 宏紀 徳島県立博物館, その他部局等, 学芸係長 (50372230)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 継承 / 生業 / 機械化 / 経験知 |
研究実績の概要 |
本研究は、生業従事者が生業遂行にあたりどのようなコストとモチベーションをもつのか、その調整過程の解明を元に、持続可能な生業遂行モデルを考察するものである。本研究のコストとモチベーションを軸とした生業実践モデルの提示は、生業の機械化等、眼前の現象に関して生業研究に有効な新視角を提示し、その成果は行政による農山漁村にむけた種々の取り組みにも具体的な提言を可能にするものである。 現代農山漁業は知への比重が増大した生業と考える。とくに現代社会は多様化の時代であり、生業遂行には多様化する時代背景のもと知を中心としたその対応をし続けなければならない。その心理的負担は巨大だが、他方、知をやりくりし思い通りの収穫を得ることで生業遂行へのモチベーションを獲得する例も少なくない。本研究ではこの多様化する時代背景のもと、おこなわれる内発的モチベーションを見出しつつ生業遂行の仕組みを明らかにする。 本年度はCOVID-19の影響もあり、調査自体に関してはほとんど実施できていない。しかしながらオンラインを用い、打ち合わせ会議、研究会を開催し、対象地域内における生業遂行実態についての意見交換を複数回おこなった。これにより、これまで培ってきた生業実態をもととした研究方法の深化と課題について明確に把握し得た。あわせて、構成員各自の調査地域における公表されたものを報告しあい、情報の共有をおこない、本研究への理解の深化をおこなった。並行して当該地域における資料整理を進めている。こちらは次年度公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、研究期間内において二つの事業を執り行う。 第一に研究会の開催であり、第二には現地調査である。本年度はCOVID-19の影響により、第二の予定していた調査が実施できなかった点が課題となる。しかしながら第一にあげた研究会を昨年より多く開催することにより、研究視角に関しては昨年提起された視角の確認と深化を果たしており、次年度は当初予定していたものより精度の高い調査研究が可能になるものと考えている。併せて、互いに公表をおこなった本研究の成果を共有することにより、本研究への貢献・理解も深まっている。この点については、特に次年度に予定している個々の発表を中心とした該当事例の比較や分析を積み重ね研究を遂行していく。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響で実施できなかった、研究視角をもととした該当事例の調査をおこなっていく。その整理と調査研究の遂行のため研究協力者の充実を並行して進めていく。すなわち、調査も加えた研究の進展と、研究が深まるにつれ得られた実際の調査資料とその整理をおこない、当初の計画を鑑みる作業を並行しながら研究を遂行するものである。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度にて予定していた調査旅費、および報告会をオンライン会議に切り替えたため旅費について残高が発生し、その分次年度繰越とした。 次年度は本年度分の調査の実施と報告会を追加開催した上でほぼ計画通り遂行する。
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