本研究では、3F(ファッション、フード、フェスティバル)と呼ばれ、表面的な交流しか生まれず、多文化共生にとってプラスは少ないと考えられていた、多文化に関わるフェスティバルに注目した。多文化フェスティバルでは、文化が消費されるだけにとどまってしまったり、その場限りの国際交流という側面があることを否定することはできない。 しかし各主催団体はそこにとどまらないで、国籍を越えた友人関係や支援活動につながるような「しかけ」を工夫しており、草の根からの多文化共生が生まれる機会となっていることを明らかにした。そこから、多文化フェスティバルを開催する社会的意義を強化したと考えられる。
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