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2023 年度 実績報告書

利用者目線に立つ中近世ヨーロッパ私法――「実務向け文献」と実務テクニックの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01241
研究機関北海道大学

研究代表者

水野 浩二  北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (80399782)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードヨーロッパ / 中世 / 法学 / 実務 / 紛争 / 日本 / 近代 / 民事訴訟
研究実績の概要

本研究では、12世紀以降に法の学問化が進んだヨーロッパにおける「法学と実務の相互影響」をテーマとして掲げており、その一例として予防法学に特化した文献群(15・16世紀)の検討の完了に向けた作業を継続した。前年度までに判明した人文主義法学との関連性、「非道徳的・脱法的手法の指南」という伝統的評価の見直しに加え、具体的な内容レベルでの分析を進めた。予防法学文献中の各々の内容は、多くの場合その著者たちのオリジナルではなく、バルトルスやバルドゥスなど同時代の著名な法学者たちの著作からある程度の修正――いささか「濫用」気味の場合を含め――を施した形で採録されたものである。それらが一つの独立した文献にまとめられ広く流布したことと合わせ、個々の事例に即した戦術指南は「極端・堕落した」現象としてではなく、中世法学の「リスクの最小化を目指す」一般的特徴として正面から位置付けるべきであると考えられる。本研究で判明した内容については、来年度開催の国際学会(エントリー済み)にて公表予定である。
本研究のテーマ「法学と実務の相互影響」については、前課題にて近代日本の民事訴訟法とその実務について検討を加えたことが大きな契機となっている。この内容について刊行した研究代表者の単著につき、ドイツ語に全訳のうえドイツにて出版する企画が進行中であり、本年度はかなりの時間をそのための作業に振り向けた。わが民事訴訟法はドイツ法の影響が今日にいたるまで大きく、日本法について紹介する独語での単行論文は一定数存在するが、ドイツからの法継受とその実務について独語の単著での公刊は極めてまれと思われ、日独比較法の観点からも学界に対する大きな貢献になると思われる。現時点ですでに下訳が完成し、海外出張によりドイツ側と出版に向けた調整を行い原稿のチェックと修正が進められており、来年度以降の刊行に向けて作業を続けることになる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 民事訴訟法と法制史――弁論主義の諸相(令和四年度 法学特修演習Ⅱ ゲスト講義)2023

    • 著者名/発表者名
      河野憲一郎・水野浩二
    • 雑誌名

      熊本法学

      巻: 158号 ページ: 199―223

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 〔書評〕林屋礼二『西欧における民事裁判の発達と展開 西欧大陸民事訴訟史概観』2023

    • 著者名/発表者名
      水野浩二
    • 雑誌名

      法制史研究

      巻: 72号 ページ: 444―448

  • [備考] 熊本大学学術リポジトリ

    • URL

      https://kumadai.repo.nii.ac.jp/record/2000058/files/KLaw0158_068-044.pdf

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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