平成27(2015)年天皇・皇后両陛下(現在の上皇上皇后両陛下)がパラオを訪問されたことはメディアで大きく取り上げられた。この時の「おことば」で同地が第1次世界大戦後のヴェルサイユ条約と国際連盟の決定により日本の委任統治下に置かれたこと、第2次世界大戦中は同地で激しい戦闘が行われ、日本軍約1万人と米軍約1,700人の戦死者を出したことなどが述べられた。 しかし、台湾や朝鮮に関する研究と比べ、南洋諸島における日本の植民地支配に関する法制史的研究は活発とはいえない。本研究では国内外に分かたれた資料や失われつつある人々の記憶を拾い集め、平成から令和に向けて遺していくことを試みた。
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