本研究で獲得された成果により、司法書士の成年後見業務において、紛争が伏在している可能性とともに、より広範な支援の観点から困難な問題が関与過程にありうることが推測された。また、この領域においても、解釈法社会学の方法論の有効性の見通しが得られている。成年後見業務と紛争処理業務との統合的な把握の必要を示唆する本研究は、超高齢社会における法専門職の重要な役割を検討する方向性を明らかにする。また、簡易裁判所での通常民事訴訟の事例分析から得られた知見は、簡易裁判所での専門職による代理が増加する中で、司法書士が本人支援の理念を達成するような代理のあり方について手がかりを提供している。
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