研究課題/領域番号 |
19K01272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
本多 康作 広島工業大学, 情報学部, 准教授 (70733179)
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研究分担者 |
八重樫 徹 広島工業大学, 工学部, 准教授 (20748884)
萬屋 博喜 広島工業大学, 環境学部, 准教授 (00726664)
谷岡 知美 広島工業大学, 工学部, 准教授 (60548296)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 差別発言(ヘイトスピーチ)の潜在力 / J.L.オースティン / 発話行為論(speech-act theory) / 言葉内の力(forces) / 言葉の慣習/全身の慣習 / 差別規範 / H.P.グライス / 「吠える」裁判(1957) |
研究成果の概要 |
本研究は、J.L.オースティンの発話行為論を用いて、ヘイトスピーチないし差別発言それ自体の特質の解明を試みたものである。その成果は理論研究から実証研究に及ぶが、本研究の成果は特に、発話行為に伴う「力(forces)」の概念の解明を試み、差別発言の潜在力を解き明かしたことにある。ここで「力」とは言葉の次元に関する慣習だけでなく全身の次元を含む慣習を通じて話し手と聞き手に一定の推論を生じさせる作用であり、差別発言の潜在力は、差別規範(例えば在日朝鮮人を劣等集団とみなせ)を話し手と聞き手に慣習的に喚起し確認し強化する作用を中心とする。差別発言はかかる意味で「個人の尊厳」といった憲法的価値と衝突する。
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自由記述の分野 |
法学、基礎法学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、J.L.オースティンのテキストが有する理論的な可能性をテキストに即して具体化することにより、既存の多くの言語哲学や憲法学の議論とは分析対象の設定と、その対象からの理論化において異なる立場に立ち、発話行為に伴う「力(forces)」の概念を解明したことにある。この「力」の概念をヘイトスピーチに適用すれば、ヘイトスピーチの潜在力も、本研究の社会的意義も明らかとなる。社会的意義は、ヘイトスピーチと侮辱発言などとの違いはどこにあるのか、ヘイトスピーチの悪さはどこにあるのか(話し手の差別意識/聞き手の心理的被害/差別的社会の構築への寄与など)といった議論に1つの方針を提示しえたことにある。
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