研究課題/領域番号 |
19K01292
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
坂東 雄介 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (50580007)
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研究分担者 |
松本 裕子 (小坂田裕子) 中京大学, 法学部, 教授 (90550731)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 移民 / 難民 / 外国人 / 収容 / 退去強制 |
研究実績の概要 |
2020年度は、研究代表者である坂東が「オーストラリアにおける移民に対する収容 : Al-Kateb判決以後の展開を中心に」(商学討究73(2・3)145頁)を公表した。この論文では、オーストラリアにおいて移民の長期収容に関する判例の動向を分析し、我が国との対比を行った。 そして、坂東は、研究分担者の小坂田とともに、「〔座談会〕収容・送還に関する専門部会による提言の検討」(法律時報92(11)56頁)にを公表した。これは、入管収容・送還に関する専門部会が2020年6月に公表した提言を、憲法、行政法、国際人権法、実務などの観点から多角的に分析したものである。参加者は、他に、北村泰三、村上正直、児玉晃一、宮崎真、高橋済、安藤由香里(敬称略)がいる。 坂東は、小坂田とともに、「大村入国管理センターに聞く:被収容者の実態に関するインタビュー調査」商學討究71(2・3)249頁、「柚之原寛史牧師に聞く:被収容者支援の実態に関するインタビュー調査」(商學討究71(2・3)221頁)を公表した。共著者には、他に安藤由香里がいる。これらの資料は、退去強制の対象とされ、収容された者の実態についてインタビュー調査を行ったものである。前者は収容された者に対する支援活動に関するもの、後者は収容された施設の管理状況に関するものである。 2020年9月3日、5日には、坂東、小坂田、高橋済(弁護士、研究協力者)とともに研究会を開催し、各自の研究の進捗状況を報告し、意見交換を行った。この研究会には、他に、安藤由香里(国際人権法)、加藤雄大(国際人権法、難民法)、岸見太一(政治学)も参加した。2021年3月7日にも同様の研究会を開催した。参加者は、坂東、小坂田のほか、高橋、安藤である。両研究会とも対面で実施する予定であったが、新型コロナウィルス蔓延によりオンライン上で開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅れた最大の理由は新型コロナウィルス蔓延である。(1)講義や学内業務など対応せざるを得ない業務が増加したことによって研究に十分な時間を割くことができなかった。(2)テレワークにより資料にアクセスできる環境になかった。(3)出張が困難になり、研究会、インタビュー調査、資料収集を行うことができなかった。 特に2020年度は坂東がオーストラリアに行き、資料収集及びインタビュー調査を行う予定であったが、現状では来年度も難しいことが予想される。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように新型コロナウィルス蔓延により研究計画から遅延しているが、研究手法の変更によって対処したい。特に、研究会の開催やインタビュー調査は、オンライン形式に切り替えたい。ただ、オンラインでは、表情や反応を読み取ったり、ニュアンスを即時に説明することが難しいという限界がある。また、オンラインによるインタビュー調査には応じないことも多い(特に政府機関)。したがって、完全な解決策にはならない。今後の新型コロナウィルスの蔓延状況次第では、研究計画の延長も考えている。また、テレワーク環境の構築によって研究効率を上げたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が大きく生じた理由は、新型コロナウィルス蔓延により、研究会・学会参加・調査のために出張することができなくなったからである。新型コロナウィルスの状況次第ではあるが、次年度に実施または研究計画の延長によって対処したい。また、研究会などがオンライン開催に変更したため、オンライン環境の構築に充てたい。
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