本研究においては、当初予定していたフランスでの現地調査・ヒアリングが、新型コロナのパンデミックの影響で実施できなかったことから、文献調査・情報収集による方法に切り替えることとした。研究期間中は、同様にパンデミックの影響により現地の出版物の刊行に影響がみられたものの、本研究期間の延長により、最終年度までにおいて基礎的な資料に加え、関係する論文集などを収集することができた。 本研究期間を通じてえた文献のなかでも、Alix Perrin編の“La regularisation”は、租税法を含む公法分野における「レギュレーション」を扱ったもので、フランスにおけるレギュレーションという法現象の広がりを理解するに資する。本研究では、同論文集を中心に、翻訳・研究を進めることとした。なお論文の公表は遅れているが、令和6年中の公表に向けて準備を進めている。 また、本研究では、上記のような各種の最新の論文関係の収集に加え、フランス租税法の基礎的文献・資料も収集しているところ、それらは、他の研究課題とのコラボレーションにより、フランス租税法の基礎研究に用いた。その成果として、フランス租税法関連(所得税や資産税に関するもの)の論文をいくつか公表することができた。
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