研究課題
基盤研究(C)
ドイツの労働法の分野においては、憲法価値の実現のために、連邦労働裁判所と連邦憲法裁判所が大きな役割を果たしており、それらの判断に、一定の歩みよりや基本的な一致がみられ、立法者による法律の規制緩和や法律による内容形成に関する判断においても、立法裁量の統制がなされ、一定の緊張関係はありつつも、共同して人権の実現がめざされているといえることが明らかになった。
憲法学
本研究では、ドイツにおいて憲法(ドイツ基本法)が労働法にどのような影響を与えているかを、いくつかのテーマに即して、憲法学と労働法学の両方およびその相互関係を検討したが、憲法と労働法の両方を対象とし体系化しようとする点で学術的意義があり、また、本研究は、憲法の保障する人権を実現するものとしての労働法を構想するものであり、多くの課題に直面している日本の労働法制のありかた・内容の再検討につながりうるという社会的意義がある。