研究課題/領域番号 |
19K01309
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研究機関 | 中村学園大学短期大学部 |
研究代表者 |
橋本 一雄 中村学園大学短期大学部, 幼児保育学科, 准教授 (30455084)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ライシテ / 移民 / 社会統合 / 社会的平等 |
研究実績の概要 |
2020年度はフランス国内での新型コロナウィルスの感染拡大の影響により当初の研究計画を一部変更して研究を実施した。当年度に予定していた研究内容の1つは移民に出自のルーツを持つ生徒・学生全般の就職率に関する調査であり、実施方法として資料・文献の調査を予定していた。前年度の在外研究の際に入手した資料・文献を元に先行研究及び統計データの研究を行った。先行研究としてはBaudelotらの調査結果を読み込み、INSEEが公表しているデータ等の分析を行った。2020年度は、当研究で独自に就職データやインタビューを行うことでその考察を深める予定であったものの、新型コロナウィルスの感染拡大によるフランス国内のロックアウト等の影響によって現地との折衝が滞り、これらの計画は次年度へ繰り越して研究を進めることとした。他方、前年度の在外研究によって当初予定していたよりも多くの資料・文献を入手できたため、2020年度は文献研究に多くの時間を割き、2021年度においても継続して実施する予定である。当年度に予定していた研究内容の2つめは「郊外」に居住する移民にルーツを持つ生徒・学生等に対してのインタビュー調査等の実施であった。フランス国内で対象とする地域及び学校等を選定したものの、上記と同様の理由によって実施には至らなかった。当研究では、主にイスラム系移民に焦点を当てており、リール市にある私立学校を介して対象者の検討を進めてきたところである。インタビュー自体はSkypeやZoom等のツールを用いて行うこともできるため、実施方法を再度検討し、2021年度に繰り越して実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大によるフランス国内の度重なるロックダウン等の影響によって現地調査を実施できず、それに伴って資料・情報の入手が遅れた。また、インタビュー対象者の選定が遅れるなどし、全体的に研究の進捗が遅れている。その一方で、文献研究に注力し、前年度に入手した文献の研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も引き続き新型コロナウィルス感染拡大によるロックダウン等の影響を受け続けることが見込まれており、当初の研究計画の変更が必要だと考えている。引き続き渡航しての現地調査の可能性を探るものの、文献研究を進めつつ、インターネットを介した調査・研究の実施方法をも併せて模索する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費のうち文献の購入費用については、2019年度の在外研究の際に購入した図書が当初の予定よりも多く、その研究と整理に時間を要し、2020年度に新たに購入した文献数が予定よりも少なかった。また、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大によって研究の進捗がやや遅れており、それに伴って、学会発表や現地調査を実施できなかったため、次年度への繰り越し額が発生した。繰り越した費用は同目的において次年度使用させていただく予定である。
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