研究課題
基盤研究(C)
本研究は、国際裁判所における宣言判決に着目することで、国際裁判法と国家責任法の境界領域にある司法的救済の法的意義および現実的役割を解明することを目的とする研究である。本研究により、国際法上の宣言判決は懲罰的要素を含むようになっていること、そして、救済につき被告国の履行裁量が認められる傾向にあり、被告国の国内状況等といった裁判外の政治的要因が判決履行の意思に影響を与えていることが明らかとなった。
国際法学
本研究は、国際裁判を国際紛争の解決に役立てるための条件について、裁判所の判決に含まれる法的判断の意義を明らかにし、それを敗訴国が受け入れる(受け入れない)法上及び事実上の根拠を整理・分析したものである。そのため、日本が外交手段として国際裁判を利用するか否か、そして、利用する際にはどのような主張を行うかについて、決定的な指針を提供する点に社会的意義があると考える。