研究課題
5つの小課題ごとに、次のように進行した。「1 巨大独占や局地独占に関する競争法理論」については、地域銀行に関する法律の運用実績について、研究を行い、企業結合事例を研究する論文の一部として公表した。「2 消費者に対する搾取型濫用(優越的地位濫用)」については、公正取引委員会のガイドラインが誘発した議論のどこが新しくどこが従来の枠組みで説明でき るものであるのかについて、論文にまとめ、公表した。「3 競争法における推定ルールの洗練」については、食べログ東京地裁判決やマイナミ空港サービス事件東京高裁判決などの興味深い事例が現れたので、これらを用いて、公正取引委員会の判断権者や裁判官にとって扱いやすい推定ルールという観点から観察・分析を進めた。これらの知見は、他の小課題の成果に活かされている。「4 エンフォースメントの在り方」については、確約認定・実態調査報告書・疑いのある行為を行った会社の社名公表などの実務を踏まえた分析を進め、関連する日本法チャプター(英語)の刊行した。また、小課題2・3・5を含む成果を競争当局の国際組織であるICNにおいて報告する機会を提供されたため、発表を行った。「5 EU競争法の影響力の背景」については、EUの動向に注視しつつ、Simon Vande Walle教授からの教示を中心に、1から4までの研究まとめに活かした。David Gerber教授の来日はご都合によりかなわなかったが、1から4までの研究について示唆を得た。4に掲げたICNでの報告に際しては、スペイン及びフランスの弁護士その他の専門家から示唆・教示を得た。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
河上正二先生古稀記念『これからの民法・消費者法(Ⅱ)』(信山社)
巻: (書籍) ページ: 679-693
Tihamer Toth (ed.), The Cambridge Handbook of Competition Law Sanctions (Cambridge University Press)
巻: (書籍) ページ: 500-519
公正取引
巻: 865 ページ: 27-34