研究課題/領域番号 |
19K01331
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
洪 淳康 金沢大学, 法学系, 教授 (10554462)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 公正取引委員会 / コンビニエンスストア / 韓国 / 24時間営業 / 見切り販売 |
研究実績の概要 |
コロナ禍により、韓国現地での資料収集が不可能であったため、東京の国立国会図書館及び国会図書館関西館で資料収集を行った。これにより、文献を通じてではあるが、韓国においてコンビニエンスストアが24時間営業をするか否かは、もともと「加盟事業取引の公正化に関する法律」によって一定の条件のもとで24時間営業をしないことが可能であったが(最初の契約時から24時間営業をとるか、それとも18または19時間営業を選択することが可能であった。さらに、契約時に24時間営業を選んだとしても、3か月連続深夜で営業損失が発生したら、18または19時間営業への変更が可能となっていた)でなくてものコロナ禍であることもあり、加盟店のほうにより決定権が移されつつあることがわかった。そのため、24時間営業を行わない加盟店がさらに増加する傾向にあった。さらに、見切り販売については、ラーストオーダーというアプリを通じて、加盟店がデイリー商品(23種類で、おにぎり、サンドイッチ、飲み物等)について登録顧客に対し、割引サービスが提供できるシステムが導入され、人気を得ていることがわかった。さらに、日本においても「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査について」(令和2年9月2日)以来、必ずしも加盟店が24時間営業をしなくてもよい場合や加盟店の裁量における見切り販売の拡大が起きている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
韓国への現地調査がコロナ禍によってまったくできない状態となっている。ある程度の資料(文献)は日本の国会図書館から、そしてZOOMを通じて韓国の業界関係者とのインタビューは可能であるが、見切り販売専用のアプリなどが実際の加盟店でどのように活用されているるかなどは、やはり加盟店の現場でないと具体的な状況は完全には把握できないところがある。さらに、日本において24時間営業と見切り販売がどのような状態にあるかについても、ある程度の文献調査は可能であるが、実際の加盟店の現場の状況は、長距離出張が不可能な状態が続きたため、限られた範囲でしか集めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、緊急事態宣言が解除され、またコロナ禍が多少緩和されつつある。そのため、もし、韓国での現地調査及び日本での長距離出張が可能となれば、積極的に進めていき、これまでの成果を確認・検証・緻密化を図りたい。そのため、現在、日本においてはコンビニ加盟店ユニオンと現地インタビューのためのコンタクトをとっている。さらに、続けて文献調査にも励み、より正確な分析となるように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、現地調査やインタビュー(加盟店対象)がほぼできず(加盟店の店主でZOOMでのインタビューに応じてくれる方はほぼおらず(現場が離れられない)、さらに実際に見切り販売の状況や売り上げ具合などは、加盟店の現場でないとわかりにくい)、より精緻な調査と分析が限定的であった。さらに、24時間営業についてもこれまでよりは日本において広がってきたが、これもやはり現在時短営業を行っている加盟店及びそれを検討している加盟店で直接状況を見て確認するのがもっとも正確なものであるにもかかわらず、現地調査が大変厳しかった。現在のところ、少しコロナ禍の状況が好転しつつあり、次年度においては日本での現地調査とインタビュー、そして韓国での調査とインタビューを行う予定である。
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