正当防衛に関する成果は、変動期にある正当防衛判断について、裁判例の客観的な分析を法理横断的に包括的に行うことによって、今後の研究の実務理解の1つのベースとなりうるとともに、実際の実務的判断の際の参考資料となりうると思われる。性犯罪や死体損壊等罪に関する歴史的経緯に関する研究は、今後の研究の共通財産となりうると思われる。性犯罪については、それらを踏まえて法改正作業に参加し、改正がなされた。全体として、今後に向けて、それらの各成果を横断し、社会内で許容される行為の限界を検討する際の考慮要素としての共通性、重みづけを引き続き考察するための予備的研究としての意義もあると思われる。
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