研究実績の概要 |
憲法修正4条との関係で私人による証拠収集活動の適否が問題となったアメリカ連邦最高裁判所の判例を分析した。具体的には,Burdeau v. McDowell, 256 U.S. 465 (1921), Coolidge v. New Hampshire (1971), Walter v. United States, 447 U.S. 649(1980), United States v. Jacobsen466 U.S. 109 (1984)等の分析を行った。また,Skinner v. Railway Labor Executives' Association, 489 U.S. 602 (1989)をもとに,憲法学において,私人間適用に関して参照されているState Action(国家行為) の法理と,刑事訴訟法学における私人による違法収集証拠排除の法理との関係について,整理し,今後,研究を遂行していく際の基本的視座を整えた。 また,本研究の端緒の一つとなったUnited States v. Stein, 541 F.3d 130 (2d Cir. 2008)(刑事訴追を回避するための企業の取り組みが,国家行為(State Action)に該当し,修正6条の弁護人選任権を侵害すると判断された事例)について,本研究の問題意識を明らかにすることを目的として,事実関係と裁判所の判断の特徴を整理し,研究ノートとして公表した。
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