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2021 年度 実績報告書

ヘイトスピーチ・フェイクニュースに関する多元的法規制について

研究課題

研究課題/領域番号 19K01347
研究機関山口大学

研究代表者

櫻庭 総  山口大学, 経済学部, 教授 (80546193)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードヘイトスピーチ
研究実績の概要

ヘイトスピーチの多元的規制の在り方について研究し、最終年度はとりわけインターネット上のヘイトスピーチに対する規制について研究した。
この問題は以下のように整理できる。一つには、ドイツのように、①ネット上のヘイトスピーチに対応可能な刑罰法規(民衆扇動罪)を整備し、それを前提に②違法情報に対する適切な削除等の体制整備義務を罰則付きでプロバイダに課す法律(NetzDG)を制定するといった、いわゆる立法論を展開する方法がある。もう一つには、立法論が難しければ、③ヘイトスピーチのうち現行法下で可罰的な領域を検討し、④それに関するプロバイダの刑事責任を検討するといった、いわゆる解釈論を展開する方法がある。
これに対する成果としては、①については、日本でも、インターネット上のヘイトスピーチについて、平穏生活環境を危殆化する社会的法益侵害情報と位置付け、蓄積犯として規制する立法論を展開する余地があることを明らかにした。②については、そもそも①の存在を前提にするので、日本での即座の展開は困難であると思われるが、③については、ドイツの集団侮辱の解釈を参考に、一見して不特定型であるが特定型のヘイトスピーチとして名誉毀損罪・侮辱罪の成立が認められる類型がありうることを明らかにした。
④については、現在の裁判例を検討すると、一定の場合はプロバイダの刑事責任を問われる場合は想定できるが、ヘイトスピーチ関係では極めて限定的な規制とならざるをえないが、継続性、拡散性といったインターネットの特性を考慮した場合はより広い範囲を共犯として処罰する解釈が可能であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] ヘイトスピーチ規制における刑法上の諸論点2021

    • 著者名/発表者名
      櫻庭総
    • 学会等名
      日本刑法学会
  • [図書] ヘイトスピーチ規制の最前線と法理の考察2021

    • 著者名/発表者名
      桧垣 伸次、奈須 祐治、梶原 健佑、櫻庭 総、成原 慧、中村 英樹、村上 玲、森口 千弘、玉蟲 由樹
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589041753

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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