• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

警察活動の適正およびアカウンタビリティの確保に資する第三者機関の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01349
研究機関大阪公立大学

研究代表者

三島 聡  大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60281268)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード警察 / 第三者機関 / アカウンタビリティ / 苦情処理 / 懲戒
研究実績の概要

本研究は、第1に日本の警察関連の第三者機関の趣旨・目的、運用を調査し、どのような課題があるかを把握し、第2に海外のさまざまな第三者機関のうちの代表的なものの制度、運用を調べ、第3に上記2点をふまえて警察関連の第三者機関のあり方を検討するものである。
第1の点に関しては、警察の取調べのあり方を検討することとし、日本刑法学会第100回大会でワークショップ「被疑者取調べへの弁護人の立会い」の企画者を務めることになったのを契機に、心理学者も含めた共同研究をおこなった。また、再審事件である小石川事件について弁護人からの聴き取りも含めて調査検討をおこない、同事件にみられる警察活動の具体的な問題点の把握に努めた。
第2の点に関しては、警察(活動)と人権に関する研究業績を精読したり、過去に何度か訪れたことのある北アイルランドのPolice Ombudsman for Northern Ireland等の第三者機関の歴史的な展開を調べたりした。
そのほか関連する研究として、刑事施設に収容されている者の不当な制約からの是正という観点から、診療録の開示について引き続き検討を加え、日本刑法学会の関西部会で報告をおこなった。それとともに、もともと警察官が担っていたスコットランドの社会内処遇の制度の歴史的な動きについて論文を執筆するなどの活動をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

長引く新型コロナウィルス感染の影響により、とくに国外に出張して調査することが困難で、昨年度も調査が思うように進まなかった。また、所属する大学に大きな組織改変があり(昨年度は改変1年目)、処理しなればならない事務仕事が多く、研究時間が十分確保できなかった。

今後の研究の推進方策

研究期間を延長して本研究を進める。
第1の課題については、公安委員会制度の分析を進めるほか、警察署協議会や留置施設視察委員会の運用の把握にも努めたい。
第2の課題については、アメリカ合衆国内の諸地域や北アイルランド等の制度の調査を進め、カナダ・オンタリオ州の制度との比較をおこない、同州の制度にみられた諸課題にいかに対処しているのかなどにつき考察してみたい。
そして以上の調査や考察をふまえて第3の課題の検討につなげたい。

次年度使用額が生じた理由

多額の次年度使用額が生じたのは、主として、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、国の内外、とくに海外に出張できなかったことと、所属大学で大きな組織改変がおこなわれるなか、本研究に割く時間が満足にとれなかったことによる。新型コロナウィルスの感染が収まってきたことから、今年度は、研究時間を確保し出張して本格的な調査をおこなって、成果を出したいと考える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 被疑者取調べへの弁護人立会い問題の現在2023

    • 著者名/発表者名
      三島聡
    • 雑誌名

      季刊刑事弁護

      巻: 113 ページ: 81-87

  • [雑誌論文] 裁判員裁判の評議のコミュニケーション上の主たる問題点とその対策――これまで実施された模擬裁判をふりかえって2022

    • 著者名/発表者名
      三島聡
    • 雑誌名

      法と心理

      巻: 22(1) ページ: 8-14

  • [学会発表] 収容中の診療録不開示に関する最高裁判決と行刑実務2022

    • 著者名/発表者名
      三島聡
    • 学会等名
      日本刑法学会関西部会令和4年度夏期例会
  • [図書] 裁判員裁判の評議を解剖する2023

    • 著者名/発表者名
      森本 郁代、北村 隆憲、小宮 友根、三島 聡、サトウ タツヤ、國井 恒志
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      9784535526624
  • [図書] 弁護人立会権2022

    • 著者名/発表者名
      川﨑 英明、小坂井 久(編)
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      9784535525740
  • [図書] 刑事司法と社会的援助の交錯2022

    • 著者名/発表者名
      赤池一将、石塚伸一、斎藤司、武内謙治(編)
    • 総ページ数
      668
    • 出版者
      現代人文社
    • ISBN
      4877988297

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi