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2023 年度 実施状況報告書

警察活動の適正およびアカウンタビリティの確保に資する第三者機関の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01349
研究機関大阪公立大学

研究代表者

三島 聡  大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60281268)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード警察 / 第三者機関 / アカウンタビリティ / 苦情処理 / 懲戒 / 違法捜査
研究実績の概要

本研究は、第1に日本の警察関連の第三者機関の趣旨・目的、運用を調査し、どのような課題があるかを把握し、第2に海外のさまざまな第三者機関のうちの代表的なものの制度、運用を調べ、第3に上記2点をふまえて警察関連の第三者機関のあり方を検討するものである。
2023年度は、とくに第2の点に関して北アイルランドの制度を文献をもとに調査するとともに、合衆国の第三者機関に関する全国組織であるNational Association for Civilian Oversight of Law Enforcementの年次大会に出席し、全米各地の第三者機関に関する各種の報告を聴き、その現状と課題についての認識を深めた。
そのほか関連する研究として、アイルランド共和国の違法捜査の是正策の動向を調査・検討したり、日本の取調べにおける捜査官・被疑者間の非対等性是正に関する共同研究を主宰したり(2024年度も継続)、拘置所収容中の診療録の不開示決定に関する最高裁判決(最判2021〔令3〕・6・15)をもとに、被拘禁者処遇の適正化に資するよう、処遇に関する個人情報の開示を広く認めることができないかを検討する論稿を発表したりした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

所属する大学の大きな組織改変の影響などもあり、学内の業務に追われ、研究時間が十分確保できなかった。

今後の研究の推進方策

研究期間を延長して本研究を進める。
第1の課題については、とくに留置施設視察委員会の運用の把握に努めたい。刑事施設(拘置所も含む)の処遇については、2022年8月の名古屋刑務所事件を契機に改革が進められているところであり、視察委員会制度についても一定の改善がみられる。だが同じ刑事収容施設である留置施設の処遇や留置施設視察委員会制度には、その改革の波が及んでいない。ごく最近、愛知県岡崎署で被勾留者に長時間拘束具を使用するなどして同人を死亡させた事件等がおこっており、現状のままではたして問題がないのか検討してみたい。
第2の課題については、アメリカ合衆国内の諸地域や北アイルランドの制度の調査を進め、カナダ・オンタリオ州の制度との比較をおこない、同州の制度にみられた諸課題にいかに対処しているのかなどにつき考察してみたい。
そして以上の調査や考察をふまえて第3の課題の検討につなげたい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響で2020~2022年度は海外出張ができなかったため、2022年度末には多額の次年度使用額が生じていたが、2023年度はアメリカ合衆国の学会に出席し、多額の旅費を要した。ただし、本研究に十分な時間がとれず、十数万円の残額を生じた。
今年度は研究時間を確保し、本研究にかかる書籍代や出張費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 刑事施設収容中の診療録の不開示決定に関する最高裁判決と行刑実務2023

    • 著者名/発表者名
      三島 聡
    • 雑誌名

      刑法雑誌

      巻: 63(1) ページ: 24-44

  • [雑誌論文] 被疑者取調べへの弁護人立会い2023

    • 著者名/発表者名
      三島 聡
    • 雑誌名

      刑法雑誌

      巻: 62(3) ページ: 539-544

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公開日: 2024-12-25  

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